創業時の社訓「自然と人間性」
万物はすべて自然の分身であり、その法則に従って生きています。
人間は山川草木と同じく自然の一部であり、その間の区別はありません。
自然は悠揚せまらぬリズムで私たちの生を育んでくれます。
自然の法に従って歩みを共にする者は自然のもつリズムによく気づき、自然のあり方に大きな関心をもつ様になるでしょう。
自然はそのようにして自然の法に学んで生かしていく者には豊かな恵みを与えてきました。
私たちの先祖は従来自然の営みのなかに自分を置き、自然に従ったり、時には逆らったりして喜びや悲しみを繰り返す生活を重ねてきました。
しかし産業の発達につれてそれがいつしか失われてきました。
自然は人間の生活のためにどのようにでも利用することができるという考え方が支配的になったのです。
ところが、今や地球温暖化をはじめ自然のリズムをおびやかす種々の問題が発生しています。
自然は、産業の在り方がいまのままでは遠からず破掟を来すのではないかと私たちは気づきはじめています。
それにつれて自然のリズムをおびやかすことなく自然との共栄を模索する動きが世界的に強まってきています。
私たち人間が自然の一部として生きていくなら、人間みずから自然に近づき、自然の法を見いだし、自然に学んで行動を選択していかなければなりません。
それが自然の分身である人間としての誠実な生き方であり、人の道であり、人間性そのものであると思います。
我が社においては全社員が力を合わせ、より一層の発展を願って日々の生産活動に精を出しています。
会社だけでなく社員一人一人にも順境の時もあり逆境の時もありで、喜びと悲しみが縄を綯えるが如くに交錯しているのが現実です。
そのような現実の中で私たちは、自然の法に従い自然のリズムを壊してはいけないということを常に忘れないように心がけなければなりせん。
そうすることによって、自然がもたらす恩恵を私たちだけでなく、私たちの子孫・次世代の人間に譲っていくことも可能になるでしょう。
このような世のあり方の中で、一人一人の喜びも悲しみも分かち合う心情を末永く定着させて、世の流れに逆らわず自然の生き方に徹し、皆が幸せであることを願っていきたいと思っています。
創業者 庄條徳寿